CONTENTS  
ご挨拶 美濃焼って? Gallery 焼物一口メモ 社会科のお勉強 お国自慢 HOME
窯元案内 伝統的工芸品 これ作って!Gallery こんなの作っちゃいました 隆月窯・現る! 陽(ひなた)工房 Link

やきもの一口メモ[vol.02]   お気に入りの器を手に入れる  その弐        

焼き物は取り扱い方さえ注意していれば、半永久的に使い続ける事が出来ます。自分のお気に入りの焼き物を、
ずっとそばに置くなんて、とてもすばらしい事だとは思いませんか?

 最近、陶芸に関する書籍が数多く書店に並ぶようになりました。陶器祭りに関する情報も豊富になり、陶器祭りの楽しみ方なるコーナーで、いかに安く買うか?みたいなお祭り攻略法なる事柄が書いてあり、ほとんどの雑誌に、いかにして安く買うか?どの様に値切るか(聞こえ良く言うと価格交渉をする)と、必ず書いてあります。大部分のお客様が陶器祭りなれしていて、窯元開放の時は、出荷用のサンテナ※1の中までさばいて、掘り出し物を見つけたかのように喜ぶお客様がいたり、何かと商品に何くせを付けて安く買おうと試みるお客様がいたり、その攻防戦はそれは凄いものがあります。陶器祭りならではの醍醐味がそこには有り、それはそれで楽しいのですが・・・。
※1.サンテナ 窯元と問屋さん間の通い箱、ホームセンターでも入手可。
一昔前(現在もたまに有る)ならば、出展者も二等品、不良在庫品等を出品していた為、持って帰るよりはましとばかりに二束三文での売買がありましたが、お客様達の生活レベルの向上、目利きの向上に伴なって、『要らない物はただでも要らない』と言うお客様が増えており、出展者も胸を張れる商品しか出品しなくなって来ています(と、思う)。
 出店者からのお願いです。あまり雑誌に書いてあることを鵜呑みにしないで下さい。何事にも限度と言うものが有ります。『あんたに売るような物はない!』とか『あんたに売るくらいなら割った方がましだ!』と、言われた方居ませんか?そのお客様は、あまりにも強引過ぎたのです。もしも、あなたが会社に勤めていて、もしくはご主人様が会社に勤めていて、『今日は創業祭だから今日の分の給料は、無しにして下さい。』と会社から言われ本当に給料から引かれていたらどう思いますか?私達は陶器を作ることを生業として生活をしています。あまりに強引な事を言われますと、私達の仕事自体を否定されているようで、上記のような言葉が出ないとも限りません。
 そんなお客様はほんの一部に過ぎないのですが、お互いにその年の陶器祭りの印象がその事で悪くなってしまうんです。そこで、作り手からお客様へアドバイス!『豚もおだてりゃ木に登る。作り手おだてりゃ売価は下がる』一生懸命創ったうつわです。『このうつわの、こんなところが気に入った。』とか、『もう少しここの所をこうすると今以上に良くなるんじゃないかな』等、その器に対する思いとか、アドバイスなんかを頂ければ、作り手としてもうれしくてそういうお客様には、何も言われなくても快く自然と値引きしてしまうものです。また、そんなお客様は覚えているもので、次の年に来られた時には何も言われなくても安くなるものです。印象の悪いお客様も覚えていますが・・・。
 作り手と親しくなれたなら、あなたはもうお気に入りの器を手に入れた事と同じです。後は、上手に甘えておだててお互いに気持ち良くオーダーメイドの世界を楽しみましょう。
 モノづくりをしている人間は自分が作ったものが一人でも認めで貰えたならとってもうれしくて、次のモノづくりの励みになります。その心理を突かない手はないですよ。

                                                                        2000/12/20




掲載している文章・写真・イラストの無断使用を禁じます
Copyright 2000-2006 「美濃焼の窯元 隆月窯」All Rights
Reserved Presented By Ryuugetsugama